そんな大変な時に。
私は何も知らず、いつも通りメッセージを送り続けていた。
「……ごめんなさい。」
思わずこぼれた言葉に、高見先輩は少しだけ眉をひそめた。
「なんであんたが謝るんだよ。」
「でも……。」
言葉が続かない。
高見先輩は空を見上げ、小さく息を吐いた。
「正直言うとな。俺、あんたのことあんまり好きじゃなかった。」
その言葉に、胸が少し痛む。
だけど高見先輩は、そのまま続けた。
「俺と光は高校で出会った。」
「その頃のあいつ、今よりもっと人に冷たかった。」
「目も死んでたし、笑わねぇし、何聞いても『平気』しか言わねぇ。」
「正直、見てらんなかった。」
「光くん……。」
胸が苦しくなる。
そんな光くんを、私は知らなかった。


