「悪い。急に。」
そう言いながら、高見先輩はポケットに手を入れたまま近づいてくる。
その様子を見た咲は空気を読んだのか、小さく笑って言った。
「澪、私先に帰るね。また明日!」
「うん、また明日。」
咲が帰り、辺りには私と高見先輩だけが残る。
高見先輩は私をじっと見つめ、小さくため息をついた。
「単刀直入に言う。」
「……はい。」
「光、三日前から熱出して寝込んでる。」
「……え?」
頭の中が真っ白になる。
「熱……?」
「三十八度五分以上。病院には行ったし、大したことないらしいけど、まだ熱が下がりきってねぇ。」
その一言だけで、胸がぎゅっと締め付けられた。
(だから返信がなかったんだ……。)
私は思わずスマホを握りしめる。


