振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「ちゃんと、澪ちゃんがここにいるって感じたい」


(……どういうこと?)


そう思った次の瞬間。


光くんが、ほんの少しだけ距離を詰めた。


でも、まだ触れない。


触れる直前で止まる。


そして、小さく言った。


「澪ちゃん、来て?」


両手をそっと広げる。

その声は、いつもの光くんよりずっと柔らかくて。

強さなんてどこにもない。

私に甘えてるみたいにいう。

ただのお願いなのに、

私は一瞬だけ固まって。

でも次の瞬間には、もう向かっていた