振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


少しだけ間を空けて、光くんは続ける。


「澪ちゃん」

「はい」


名前を呼ばれてるだけなのに、心臓が跳ねる。


光くんは少しだけ視線を落としてから、また私を見る。


「……ちょっと実感してもいい?」

「え?」

意味がすぐに分からなかった。


光くんは少しだけ困ったように笑う。


「なんかさ、まだ夢みたいで」


その言葉に、胸がきゅっとなる。


「だから……」


光くんは少しだけ息を吸う。