振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


でも優しい顔をしていた。


「俺さ」


「……はい」


「あの時はショックすぎて、何も言えなかったよ」


その言葉に胸が痛くなる。

でも、光くんは続ける。

「でもさ、澪ちゃんのこと嫌いになったことは一回もないの」

その一言で、涙が出そうになる。


「え……」

光くんは少しだけ笑った。

いつもの、あの優しい顔。


「むしろずっと、忘れられなくて。目が覚めても目を閉じても頭の中澪ちゃんでいっぱい。」

「……っ」

言葉が出ない。


光くんは立ち上がるでもなく、ただそこにいる。

逃げない距離で。

「だから澪ちゃんがそうやって謝るのも、ちゃんと気持ちを話してくれるのも」

少しだけ間を置いて。

「正直嬉しい」

その言葉が、優しすぎて苦しい。