振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


(こんなこと、言うつもりなかったのに)


でも、もう止まらない。


「私が知らない間にも、光くんの事沢山傷つけたと思う。」


頭を下げたまま、言葉を絞り出す。


「本当に……ごめんなさい」


風の音だけが聞こえる。


怖い。

返事が怖い。

でも、顔は上げなかった。


上げたら、全部逃げそうだったから。

しばらくして、光くんの声が落ちてきた。


「……澪ちゃん」

ゆっくり顔を上げる。

光くんは、困ったような顔をしていた。

でも怒っていなかった。

ただ、少しだけ悲しそうで。