振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


公園のベンチに、静かな風が吹いていた。


さっきまで普通に笑っていたはずなのに、今はその空気がやけに遠く感じる。


光くんは隣にいる。


でも、少しだけ違う。


さっきより、ちゃんと“待っている顔”をしていた。


私はゆっくりと息を吸った。


(今、言わなきゃ)


ベンチから立ち上がる。


その音に気づいた光くんが、顔を上げた。


「澪ちゃん?」