カフェを出たのは、それからしばらくしてからだった。
外に出ると、少しだけ風が冷たい。
「次、こっち行こっか」
光くんがそう言って歩き出す。
「どこに行くんですか?」
「近くに公園あるらしい」
それだけで決まるのが、この人らしい。
公園までは歩いて数分。
住宅街の中にある、小さな公園だった。
滑り台とベンチと、少しだけ木がある静かな場所。
「いいね、ここ」
光くんがぽつりと言う。
そして当然みたいにベンチに座る。
その隣に、私も座る。
距離は近い。
さっきよりもさらに。
肩が触れるくらい。
(……やっぱり近い)
近いのに、光くんは全然気にしていない顔をしている。

