振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


今回は特にまっすぐで、逃げられない感じがした。

「……私も、嬉しいです」

やっとそれだけ言えた。

光くんは少しだけ目を細める。

「そっか」

それだけ。

それ以上何もいらないみたいな顔をするのに。

どうしてこんなに心が揺れるんだろう。

飲み物が運ばれてくる。

ストローを刺す音がやけに大きく感じる。

その沈黙の中で、光くんがふと笑った。

「ねえ」

「はい」

「澪ちゃん、さっきからずっと落ち着いてない」

「そんなことないですっ」

即答。

でも光くんは笑うだけ。

「でも、してる顔だよ」

(もう……)

そういうの、ちゃんと見ないでほしい。

でもちゃんと見られていることが、少し嬉しい。