振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


少し離れた場所から、聞き慣れた声。

顔を上げた瞬間、心臓が一回止まる。

光くんがいた。

軽く小走りで近づいてくる。

「おはよう」

いつも通りの笑顔。

なのに、その笑顔を見るだけで胸が落ち着かなくなる。

「……光くん、おはよう!」

声が少し固くなる。

光くんは一瞬だけ目を細めた。

「なんか緊張してる?」

「し……てます」

答えたら、すぐに笑われる。