振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。



「……。」

声を掛けるか迷う。

でも。

体が勝手に動いていた。

「……澪ちゃん。」

懐かしい名前。

ずっと呼びたかった名前。

澪ちゃんの肩が小さく震える。

その反応だけで十分だった。

よかった、ちゃんと覚えててくれた。

俺のこと。

それだけで少し嬉しかった。

「光、知り合い?」

他の男子がそう聞いてくる。

答えようとした。

でも。

澪ちゃんは何も言わない。