振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


そして約束の10時。

駅前は土曜日なのに、思ったより静かだった。

それなのに、私の心臓だけがやけにうるさい。

(……光くん、そろそろ来るかな)

スマホを握ったまま、何度も画面を見てしまう。

『今日やっと会えるの、嬉しい』

今朝届いたそのメッセージが、頭から離れない。

強い言い方のはずなのに、どこかお願いみたいで。

(ほんと、ずるい……)

風が吹いて、髪が揺れる。

そのときだった。

「澪ちゃん!」