振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


『空いてますよっ』

送信ボタンを押す。

たったそれだけの文字なのに、心臓が痛いくらい鳴っている。

既読はすぐについた。

数秒後。

『よかった、じゃあ会わない?俺澪ちゃんに会いたい!』

その一文を見た瞬間。

力が抜けるように、肩が落ちた。

「……っ」

思わず小さく笑ってしまう。

嬉しいのに、泣きそうになる。

(また、光くんに会える)

その事実だけで、こんなに心が揺れるなんて。

スマホを握ったまま、私はまだその場に立ち尽くしていた。

『澪ちゃんに会いたい!』

その一文が、頭から離れない。

(……なにそれ)

ただの予定。

ただの約束。

それなのに、どうしてこんなに胸が落ち着かないんだろう。

風が吹いて、髪が揺れる。

少し冷たいはずなのに、なぜかそれすら気にならない。