「澪。」
「ん?」
「ライバルがいるからって、諦めるの?」
その言葉に、私ははっとする。
「篠宮先輩は、ずっと澪だけを見てきたんでしょ?」
「……。」
「だったら今度は、澪がちゃんと伝えるべきじゃない?」
胸がドクンと鳴る。
「逃げてたら、また二年前と同じになっちゃうよ。」
「それに……あの子に取られちゃうかもよ。」
「……っ。」
その言葉が、心に強く刺さる。
私はもう一度、同じ後悔をしたいわけじゃない。
光くんの笑顔も。
繋いだ手の温もりも。
もう失いたくない。
私はぎゅっと、膝の上で手を握りしめた。


