振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


白いブラウス。

腰まで伸びた綺麗な黒髪。

緊張すると指先をぎゅっと握る癖。

見間違えるはずがない。

「……。」

あれは、澪ちゃんだ。

心臓が嫌なくらい大きく鳴った。

何度夢に見ただろう。

もう会えないと思ってた。

高校も違う。

家もお互い遠くて、

もう会えないと思ってた、

こんな偶然なんて、あるわけないって思ってた。

なのに。

なんで。

なんで今日ここに居るんだよ…。

「……。」

俺に気づいてる澪ちゃんが、ゆっくり顔を上げる。