「咲。」
「ん?」
「少しだけ話してくるね。」
咲は心配そうな表情を浮かべながらも、優しく笑う。
「何かあったらすぐ呼んで。」
「うん。」
私は朱里さんと一緒に、カフェの外へ出た。
夕方の風が少しだけ冷たい。
人通りの少ない歩道で、二人並んで立ち止まる。
しばらく沈黙が流れた。
先に口を開いたのは、朱里さんだった。
「急に来てしまって、ごめんなさい。」
「いえ……。」
「私。」
少しだけ俯く。
「篠宮先輩のことが好きなんです。」
「……。」
分かっていた。
でも、本人の口から聞くと胸が締めつけられる。


