「そう……なんですね。」 「うん。」 それだけだった。 それ以上、俺から言うことは何もない。 しばらく俯いていた早乙女は、小さく息を吸うと、ゆっくり顔を上げた。 その目は少し赤かったけど、無理に笑顔を作っている。 「……分かりました。」 小さく頭を下げる。 「一度帰ります。」 少しだけ間を空けて、 「ありがとうございました。」 そう言い残し、静かに教室を出て行った。 ガラッ。 バタン。 ドアが閉まる音が響く。 さっきまで静まり返っていた教室は、その瞬間一気にざわつき始めた。