振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


少しして、二人でペンギンのエリアへ向かう。

水槽の向こうを、ぺたぺたと歩くペンギンたち。

「わぁかわいい……。」

「ほんとだね。」

「歩き方、ちょっと不器用なのに、すごく一生懸命だね……。」

「うん、あれ澪ちゃんみたい。」

「え?」

「見てると、目が離せなくなる感じ」

「……っ。」

今度は何も言い返せない。

ただ、繋いだ手に少しだけ力が入る。

光くんはそんな私を見て、くすっと笑った。

「照れてる?」

「て、照れてない。たぶん、」

「ほんとに?」

「……す、少しだけ。」

正直に答えると、光くんは嬉しそうに目を細めた。