振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「……え?」

振り向く。

光くんの手が、私の頭をそっと撫でていた。

「ご、ごめん!」

慌てて手を離す光くん。

「昔もよく撫でてたから。つい」

「……。」

胸がいっぱいになる。

二年前。

テストを頑張った日。

部活を頑張った日。

泣きそうになった日。

光くんはいつも、何も言わず頭を撫でてくれた。

その優しさが大好きだった。

「嫌じゃ、なかった?」

また不安そうに聞く。

「……ううん。」

私はゆっくり首を振る。

「嫌じゃないよ、びっくりしただけ。」

そう言うと、光くんは目を丸くした。

それから、ほっとしたように笑う。