振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


水族館の中は、静かな青い光に包まれていた。

大きな水槽の前では、色とりどりの魚たちがゆっくり泳いでいる。

「わぁ……。」

思わず足を止める。

「綺麗……。」

子どもの頃から好きだった景色。

何時間でも眺めていられる。

「澪ちゃん。」

「……?」

振り返ると、光くんが優しく笑っていた。

「やっぱりここに連れてきてよかった。」

「え?」

「すごく嬉しそう。」

「……っ。」

恥ずかしくなって俯く。

「わたし、そんなに顔に出てましたか?」

「うん。」

光くんは迷いなく頷いた。

「目がキラキラしてる。」

「もう……。」

恥ずかしくて笑ってしまう。

そんな私を見て、光くんもつられるように笑った。