振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。



でも少し照れくさかった。

「光くん。」

「ん?」

「ありがとうっ」

光くんは少し驚いた顔をしたあと、照れくさそうに笑う。


「……なんか癖かな。」


「え?」


「昔から、澪ちゃんって危なっかしいところあるから。」

その言葉に、胸がふっと温かくなる。


「……。」


二年前の思い出が、ゆっくりと蘇ってきた。

帰り道。

信号を渡る時。

人混みの中。

お祭りの日。

いつも光くんは何も言わず、私の隣を歩いてくれていた。

私が転びそうになれば手を引いてくれて。

人が多い場所では、はぐれないように歩幅を合わせてくれた。