振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「……っ!」

光くんの手。

直接触れられた温もりに、心臓が大きく跳ねる。

「澪ちゃん大丈夫?」

「う、うん……。」

慌てて頷く。

「ご、ごめんね。」

「謝ることじゃないよ。」

光くんは優しく笑って手を離した。

「怪我しなくてよかった。」

その言葉に胸がきゅっとなる。

(本当に変わらない。)

昔から。

光くんはいつも私を一番に心配してくれた。

電車が揺れるたびに、

光くんはさりげなく私の前へ立ってくれる。

周りの人とぶつからないように。

何も言わずに守ってくれている。

その優しさが嬉しくて。