振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「好きなとこ座ってー!」

私は端のソファへ腰を下ろす。

「みーおっ!」

咲が隣へ座る。

「えへ安心した?」

「うん……助かるっ」

「でしょ!」

ドリンクが運ばれ、最初の一曲が流れ始める。

みんなが楽しそうにマイクを回していく。

私は手拍子をしながら笑っていた。

「冴木さんも歌わない?」


「あ、私は後で!」

慌てて断ると、みんなも無理には勧めてこなかった。