振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


学校へ向かう道。

秋の風が少し冷たい。

いつもと同じ景色なのに、今日は少しだけ違って見えた。

街路樹の葉が揺れる音も、遠くで鳴く鳥の声も、全部がやけに鮮明だ。

(今日、光くんから連絡来るかな。)

そんなことを考えてしまう自分に、少しだけ苦笑する。

昨日あんなに話したばかりなのに。

それでも、また声が聞きたいと思ってしまう。

「澪おはよー!」

後ろから咲が走ってくる。

「咲、おはようっ」

「……で?どうなった?」

「え?」

「昨日、篠宮先輩からのメッセージ」

「な、なんで分かるの!?」

咲は得意げに笑う。