振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


ベッドに寝転びながらスマホを胸に抱きしめる。

二年前は当たり前だった、このやり取り。

もう二度と戻れないと思っていた。

それなのに。

少しずつ。

本当に少しずつだけど。

止まっていた時間が、また動き始めている気がした。


『澪ちゃんそろそろ寝るの?』


『うん、寝ようかな。』


『じゃあ俺も寝よう!おやすみ澪ちゃん』


『おやすみ、光くん』


私は画面に映る”光くん”の名前を見つめながら、小さく呟く。

「……おやすみ、光くん。」

その夜は、不思議なくらい幸せな気持ちのまま眠りについた。