振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「ふふっ……」

「あ、笑った」

「えっ」

「その笑顔、やっぱり好き」

「……っ!」

また心臓が大きく鳴る。

そんなこと、さらっと言わないで。

恥ずかしくて俯く私を見て、篠宮先輩は楽しそうに笑った。

「戻ろっか」

「……はい」

その声と一緒に歩き出す。

手はまだ繋がれたまま。

文化祭の賑やかな音が遠くから聞こえてくる。