君と私の、6年目の答え合わせ

メッセージの入力欄をタップすると、スマホのキーボードが立ち上がる。
トントン、と液晶を叩く自分の指先が、信じられないくらい冷たくなっていることに気がついた。
『空のことが、好きです』画面の中に現れたその文字列を見るだけで、胸がぎゅーっと締め付けられて、呼吸の仕方を忘れてしまいそうになる。
私は慌ててバックスペースキーを連打して、文字をすべて消し去った。
パチパチという消去の音が、静まり返った部屋の中で、私の心臓の音みたいにやけに大きく響く。
(だめだめ! いきなりすぎる。私、一体何を考えてるの……!?)スマホをベッドに放り出し、枕に顔を埋めて足をバタバタさせた。
女子力が高くて恋バナが大好きな真白は、よく学校の休み時間に「中学生になったんだから、恋愛の1つや2つしなきゃ損だよ!」なんて私をからかってくる。
けれど、私にとっては恋なんて言葉、ずっと遠い世界の出来事のはずだった。
だって、私の世界の真ん中には、小学校2年生のあの春の日から、ずっと空しかいなかったから。
4人でドロドロになって泥警をしたときも、秘密基地を作って雷くんが怒られたときも、私の視線はいつだって空の後ろ姿を追いかけていた。