寂しいけれど、それがなんだか大人っぽくて、私も恥ずかしくてそっけない態度を取ってしまう。学校が終われば、昔みたいに4人で一緒に帰ることもない。それぞれの友達と、違う時間を過ごして下校する。だけど、放課後に家に帰ってからは、別の特別な世界が待っていた。ピコン。学校が終わって家に帰り、制服のセーラー服のまま自分の部屋のベッドにダイブした瞬間、スカートのポケットの中でスマホが優しく震えた。画面を開くと、そこには『空』からの通知。空:『今日の数学の宿題、どこだっけ? 雷のやつ、プリントなくしたって騒いでてさ』結菜:『32ページの上半分だよ。雷くんのせいにしちゃダメ。空、また授業中寝てたでしょ』すぐに『既読』がつく。この1秒で繋がる感覚が、たまらなく愛おしい。空:『あー、バレてた? だって5時間目の授業眠すぎる。結菜が見ててくれたなら、ノート写させてよ』結菜:『しょうがないなぁ、明日見せてあげる。その代わり、購買のいちごミルク奢りね! 真白の分もね!』空:『お安い御用。明日、4人のいつもの席キープしとくわ』「な、に言ってるの、バカ……っ」学校ではあんなに冷たくて、目も合わせてくれないくせに。LINEの画面の中の空は、いつもちょっと意地悪で、小学校の頃みたいにちゃんと4人の絆を大事にしてくれている。だけど私は、「4人の中の1人」じゃなくて、空の「特別な1人」になりたい。液晶画面の淡い光が、私の真っ赤に火照った顔を静かに照らしている。小学校2年生のあの春の日から、ずっと胸の奥に隠してきた、この気持ち。学校では恥ずかしくて絶対に言えない。真白や雷の前でも、緊張して絶対に言葉にできない。

