久我くんの過保護が止まらない!

渚は空を見上げた。

「兄ちゃんも大変だね。」

「他人事みたいに言うなや」

「だって他人事だもん」

そう言って笑う。

その言葉に、湊は小さく息を吐いた。

恋敵。

の、はずなのに。

妙に嫌いになれないのは、何故だろう。

「……そろそろ戻るぞ。」

「うん。」

屋上の扉へ向かう。

その背中を見ながら、渚は小さく呟いた。

「兄ちゃん。」

「?」

「俺、負けないから。」

湊は振り返らない。

背を向けたまま、ただ一言。

「……望むところや。」

そう返す。

昼休みの終わりを告げるチャイムが、二人の間に鳴り響いた。