久我くんの過保護が止まらない!

けれど、離れた手をほんの少しだけ惜しいと思ってしまったことは、もちろん口にはしない。

二人は肩が触れそうな距離で並んだ。

境内の明かりが少し遠くなり、祭りの喧騒もどこか心地よいざわめきへと変わっていく。

ふと見上げれば、漆黒の夜空には一つ、また一つと星が瞬き始めていた。

どこからか子どものはしゃぐ声が聞こえる。

屋台の呼び込みも、祭囃子も、少しずつ遠ざかっていく。

その代わりに、会場全体が期待に満ちた静けさへ包まれていった。

「もう始まるね。」

陽菜が夜空を見上げたまま、小さく呟く。

「せやな。」

湊も同じ空を見上げる。

そして——

ドンッ、と腹の底まで響くような音が夜空に鳴り響いた。

少し遅れて、夜空に大輪の花が咲く。

――ドォン!!!

お腹の底まで響くような音。

赤、青、金色と続く華。

次々と打ち上がる花火が、夏の夜空を鮮やかに染め上げていく。