久我くんの過保護が止まらない!

なのに今日は、指先からじんわりと熱が伝わってくるようで、妙に意識してしまう。

「……陽菜。」

「もうちょっと!」

本人はまるで気付いていない。

必死に前だけを見て、人の隙間を縫っていく。

やがて二人は石段の脇へたどり着いた。

人だかりから少し外れたその場所は、目の前が開けていて夜空がよく見える。

「ほら!」

陽菜が嬉しそうに振り返る。

「ここなら見えそうじゃない?」

「……せやな。」

ようやく立ち止まる。

その瞬間。

「あ。」

陽菜が繋いだままの手に気付いた。

「ごっ、ごめん!」

慌てて離すと、熱くなった頬を隠すように巾着を抱え直した。

「つい……。」

「別に。」

湊は短く答える。