久我くんの過保護が止まらない!

もう限界だった。

心臓が痛い。

ここ数日ずっとこんな調子だ。

本人は無自覚で爆弾ばかり落としてくる。

「陽菜。」

「……な、なに。」

「歩ける?」

「へ?」

「その下駄。」

ようやくいつもの調子に戻った湊が、少しだけ眉を下げる。

「転ばん?」

「だ、大丈夫!」

「ほんま?」

「たぶん!」

「たぶんかい。」

思わず笑う。

その笑顔を見て、陽菜もつられて笑った。

さっきまでのぎこちなさが、ほんの少しだけ溶けていく。

「じゃ.......」

湊は陽菜の少し前へ立つと、人混みの方へ視線を向けた。

「行こか。」

「うん。」

並んで鳥居をくぐる。

提灯の灯りが二人を優しく照らした。

祭りは、まだ始まったばかりだった。