久我くんの過保護が止まらない!

リビングへ声をかけると、

「行ってらっしゃい!」

にっこにこの恒一が手をぶんぶん振った。

「遅くなるなよー!」

「はーい」

家を出る。

夕暮れの街には、祭りへ向かう人たちの姿が増え始めていた。

浴衣姿の子どもや、手を繋ぐ親子。

笑いながら歩く高校生たち。

提灯の灯りが遠くに見える。

そして神社の鳥居の前。

まだ人混みの少ない待ち合わせ場所で、

黒地に藍色の柄が入った浴衣姿の湊が、静かに腕を組んで立っていた。

――お互いに。

高校に上がってから初めて見る、浴衣姿だった。

「おっ...おまたせ。」

「..........おう。」

鳥居の前には、祭りへ向かう人たちが次々と集まってきていた。

そんな賑やかな人混みの中で、陽菜と湊だけが、妙に黙りこくっていた。

「……」

「……」

目が合っては逸らし、また合ってはまた逸らす。