久我くんの過保護が止まらない!

剣道の試合では誰よりも堂々としているくせに。

女子に告白されても顔色一つ変えないくせに。

今はまるで、お気に入りのおもちゃを取られそうになっている子どもみたいだった。

そのギャップがあまりにも反則級に甘くて。

陽菜はもう、まともに息をすることさえ難しい。

「ご、ごめ―――」

「謝ってほしいわけちゃうから。」

「え?」

「……けど、ちょっとは」

湊は小さく頬を膨らませるように言った。

「俺のことも見てぇや。」

その一言だけで十分だった。

「~~~~っ!」

両手で真っ赤になった顔を隠す。

心臓がうるさい。

声も体温も、全部が近かった。

その様子を見た湊はようやく腕をほどき、小さく笑う。

ほんの一瞬だけ見せたその柔らかな笑みに、陽菜はとどめを刺された。

――ほんっとに無理。

夏祭りまで、あと五日。

陽菜はまた、この先自分の心臓がもつかどうかが本気で心配になった。