久我くんの過保護が止まらない!

「……」

湊である。

「久我、機嫌悪い?」

男子にそう聞かれても、

「別に」

としか返さない。

けれど、陽菜が渚と笑いながら話しているたび、視線だけは無意識にそちらへ向いてしまう。

本人にも理由は分からない。

ただ、以前なら真っ先に自分へ向けられていた笑顔が、

最近は渚へ向くことが増えた気がして、どうにも落ち着かなかった。

もちろん、その感情が「嫉妬」だなんて、湊本人は夢にも思っていないけれど。

その日の放課後。

買い物を済ませて家に帰ると、陽菜は制服のままソファへ腰を下ろした。

「ふぅ……」

一息ついてスマホを取り出す。

メッセージアプリの画面には『渚』の名前が表示されている。

転校してきてまだ数日しか経っていないというのに、

渚はすっかりこの街に馴染み始めていた。