久我くんの過保護が止まらない!

もちろん、本人は認めなかったけれど。

その日の昼休み。

湊は購買へ向かう途中で、ふと足を止めた。

廊下の掲示板。

文化祭の告知や部活動の大会結果などが並ぶ中、一枚だけ妙に派手なチラシが貼られている。

赤と青の文字。

金魚のイラスト。

提灯。

花火。

そして大きく書かれた文字。

『第七十三回桜ヶ丘夏祭り』

「……」

湊は数秒それを眺めた。

開催日は来週末の土曜日らしい。

会場の神社も家からそれほど遠くない。

去年もやっていた気がするが、行っていなかった。

理由は簡単。

人混みが嫌いだからだ。

「……」

湊はチラシを見つめると、そのまま教室へ戻った。