「よかったね」 陽菜が笑う。 「よくない」 「そう?」 「そもそも話題にされるんが嫌や」 「それもそっか」 陽菜も否定できなかった。 すると、 「陽菜さん!」 不意に元気な声が飛んできた。 振り返るとそこには渚がいた。 転校二日目とは思えないほど馴染んでいる。 「おはようございます!」 「おはよう、渚くん」 陽菜が笑顔で返す。 途端に、渚の顔がぱっと明るくなった。 大型犬のようだ。 もはや尻尾が見えるレベル。 幻覚かもしれないけど、ぶんぶん振れた尻尾が見える。