その手を、もう離さない


「昨日言ったもんね」

翡翠は笑う。

「もう少し頼るって」

覚えていたらしい。

そのことが少し嬉しかった。

自分が何気なく言った言葉を。

ちゃんと覚えてくれていたことが。

大事にしてくれていたことが。

胸の奥がじんわり温かくなる。

こんな感覚は初めてだった。