その手を、もう離さない


それから十分ほど経った頃だった。

教室の扉が開く。

反射的に顔を上げた。

そして固まる。

そこにいたのは翡翠だった。

肩で少し息をしている。

どうやら急いできたらしい。

「……何してんだ」

思わずそう聞く。

すると翡翠は少しだけ照れたように笑った。

「迎えにきた」

まるで当たり前みたいに言う。

美都は言葉を失った。