その手を、もう離さない


ふと。

美都の指先に力が入る。

無意識だった。

離したくない。

そんな気持ちが少しだけ滲む。

翡翠は気付いたらしい。

けれど何も言わなかった。

ただ優しく握り返してくれる。

大丈夫。

そう言われた気がした。

窓の外では雨が降り続いている。

それでも今日は少しだけ平気だった。

隣に翡翠がいるから。

そして繋いだ手が、今日も変わらず温かかったから。