その手を、もう離さない


「恋人になったのにね」

翡翠は小さく笑う。

美都は少し考えた。

確かにそうだ。

恋人になって関係は変わった。

けれど。

この約束だけは変わらなかった。

いや、変えたくなかった。

この時間が好きだったから。

安心できるから。

それはきっと翡翠も同じだ。