その手を、もう離さない


温かい。

その瞬間、胸の奥のざわつきが少しだけ静かになる。

不思議だった。

雨は嫌いだ。

今でも少し怖い。

なのに。

この手を握っている時だけは違う。

大丈夫だと思える。

一人じゃないと思える。

そんな自分を翡翠は知らない。

いや。

もしかしたら気付いているのかもしれない。