その手を、もう離さない


けれど隣はもっと酷かった。

翡翠が完全に固まっている。

数秒後、耳まで真っ赤になった。

その反応を見た瞬間、美都は少しだけ笑ってしまう。

嬉しかった。

照れている姿が。

自分の言葉でそうなったことが。

恋人の特権なんて分からない。

けれど一つだけ確かなことがある。

好きな人の知らない表情を見られること。

好きな人を笑顔にできること。

それはきっと、今の自分達だけの特別だった。