その手を、もう離さない


沈黙が落ちる。

けれど嫌じゃない。

むしろ心地良かった。

窓の外では風が木々を揺らしている。

遠くから聞こえる運動部の声。

昼休みの喧騒。

それら全てが遠く感じた。

この場所だけが少し特別だった。

翡翠といる時間はいつもそうだ。

安心する。

落ち着く。

帰りたくなくなる。

そんな場所になっていた。