その手を、もう離さない


肩が触れそうな距離。

付き合う前と同じ距離。

なのに妙に近い。

翡翠が本を閉じる。

その仕草を目で追ってしまう。

髪が揺れる。

指先が動く。

そんな些細なことまで目に入る。

昔から綺麗だとは思っていた。

でも最近は駄目だ。

可愛いと思ってしまう。

笑う顔も。

困った顔も。

照れた顔も。

全部。

そんな自分が少し恥ずかしかった。