その手を、もう離さない


教室の扉を開いた瞬間、美都の視線は自然と窓際へ向かった。

無意識だった。

探そうと思ったわけじゃない。

でも気付けば目で追っていた。

そこに翡翠がいたから。

友達と話しながら笑っている。

朝の光を受けた横顔が綺麗だった。

付き合う前からそう思っていた。

でも今は駄目だ。

恋人というフィルターがかかっている。

笑っていても可愛い。

髪を耳にかける仕草も可愛い。

友達と話しているだけなのに目が離せない。

我ながら重症だった。

本当に。