その手を、もう離さない


けれど翡翠は違うらしい。

むしろどこか楽しそうだった。

その理由を考えて、ふと気付く。

翡翠は隠したいわけじゃないのだ。

付き合っていることも。

一緒にいることも。

全部。

堂々としている。

それが少し羨ましかった。

美都は昔から隠す方だった。

感情も。

本音も。

好きなものも。

全部。

だから今も照れる。

翡翠の名前が出るだけで。

こうして周りに気付かれるだけで。

けれど。

それを嬉しそうに笑う翡翠を見ると、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。