その手を、もう離さない


付き合う前から一緒だった。

だから変わらないと思っていた。

けれど違う。

今は待っている。

昼休みを。

会える時間を。

それを楽しみにしている。

そこまで考えたところで、美都は思考を止めた。

これ以上考えると面倒なことになる。

経験上そういう時は考えない方がいい。

だから無理やり話を終わらせる。

「じゃあ行く」

短くそう言って教室を出た。

背後から聞こえる笑い声は無視する。

けれど耳だけは少し熱かった。