アタタメマスカ?

何を取り戻すの?

それは、諦めていた時間?

失った娘?

漠然とした言葉だったけれど、私には暗闇に生まれた光のように感じた。

「……うん」


私の頭を撫でていた手が、自然と背中に降りていた。

朝方さんに抱き締められながら、空を見上げた。

「真幌さん、冷たくなってるね」

「朝方さんも……」

妖しい雲の間から月が顔を出して、いつものように私を労っている。朝方さんが、またぎごちない話し方で呟いた。


「アタタメマスカ?」



私は、彼の腕の中で頷いた。


「温めて……」


夜明けの空には、太陽と月が共存して、私達を照らすだろう。







**完**