周囲を囲む何人かに二階に上がるように促され、私は奥にある扉を開いた。
「……クイン? え?」
私はクインを見て、驚いた。だって、私は誘拐されたのだから、見るのも可哀想なくらいのクインの姿を想像していたし、手足を縛られて猿轡を噛まされて、早く助けてあげなきゃなんて想像していた。
けれど、私の見たものは、まるでそれとは正反対で……。
「あっ……姉上? 来たんだ」
そこに居たクインは縛られてなんか、なかった。
むしろ、この子が大好きなお菓子が、机の上には大量に積み上げられていて……ケーキを頬張り、口の周りに白いクリームをつけているクインは可愛い。
我が弟ながら、美術館の絵に描かれていてもおかしくないくらいに可愛い。
お父様似の美形の男の子が、可愛らしいお菓子と一緒にあるなんて、本当に絵になる。
「……え? どういうことなの?」
一瞬、今の状況を忘れそうになったけど、どう考えても、クインは誘拐されているようになんて見えない。
むしろ、歓迎されている……誰かに。
「え? 王妃様の使いから姉上が会いたがっているからと、ここへ来るようにと言われたんだ。何度も邸でも見かけた人だったし……姉上、なんでそんなに驚いてるの?」
そういえば、私はまだクインにはこれまでの詳しい経緯は伝えていなかった。
彼にはもうすぐ会う予定があったし、直接話そうと思っていた。手紙で伝えるには、あまりにもショッキングな内容だったから。
「ローレン。久しぶりね」
「……クイン? え?」
私はクインを見て、驚いた。だって、私は誘拐されたのだから、見るのも可哀想なくらいのクインの姿を想像していたし、手足を縛られて猿轡を噛まされて、早く助けてあげなきゃなんて想像していた。
けれど、私の見たものは、まるでそれとは正反対で……。
「あっ……姉上? 来たんだ」
そこに居たクインは縛られてなんか、なかった。
むしろ、この子が大好きなお菓子が、机の上には大量に積み上げられていて……ケーキを頬張り、口の周りに白いクリームをつけているクインは可愛い。
我が弟ながら、美術館の絵に描かれていてもおかしくないくらいに可愛い。
お父様似の美形の男の子が、可愛らしいお菓子と一緒にあるなんて、本当に絵になる。
「……え? どういうことなの?」
一瞬、今の状況を忘れそうになったけど、どう考えても、クインは誘拐されているようになんて見えない。
むしろ、歓迎されている……誰かに。
「え? 王妃様の使いから姉上が会いたがっているからと、ここへ来るようにと言われたんだ。何度も邸でも見かけた人だったし……姉上、なんでそんなに驚いてるの?」
そういえば、私はまだクインにはこれまでの詳しい経緯は伝えていなかった。
彼にはもうすぐ会う予定があったし、直接話そうと思っていた。手紙で伝えるには、あまりにもショッキングな内容だったから。
「ローレン。久しぶりね」



